Yokohama Citizen's Radioactivity Measuring Station

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土壌測定予約開始しました!

このたび、横浜市民測定所でも土壌測定の予約が始まりました。
気になる幼稚園や保育園の土、普段子どもが遊ぶ公園の土など、ぜひお送りください。
(もちろん、土地の所有者がいる場所での土壌採取はきちんと許可をとってくださいね。)

さて、すでに他の市民測定所では土壌の測定予約を始めている所も多く、持ち込んで測定された方、いらっしゃるのではないでしょうか?
横浜市民測定所ではやってないの?やっていたら出したいのに…
そんなお声も少なからず頂きました。

こうして土壌の測定予約を始めました!と告知ができるまでには長い準備期間とスタッフ内での様々な議論がありました。
皆様にはその経過についてお話したいと思います。少々長くなりますがお付き合いくださいね。

横浜市民測定所は食品の測定を中心に行っています。そしてその測定は子どもを持つお母さんたちのボランティアで行われています。
特に磯子の測定室では未就園児の子どもを連れて測定に来るお母さんもいます。
この環境の中で土壌測定を行うということは、まず、測定する食品(低レベルの放射能濃度のものがほとんどです)や測定器への汚染を防ぐこと、そして、測定員自身の被曝や測定所内の放射能汚染のリスクを慎重に考えなければなりません。専門機関ならば、高価な防護のための設備(エアシャワーなど)を整える必要があるのですが、やはり市民の集まりでは、そこまでの財政的な余裕は全くありません。
そのため、土壌を開封し、マリネリ容器に詰める際のリスクや万が一飛散した場合にどう対処するのか。
また、測定員によってどのぐらいの放射性物質濃度であれば測定作業の許容ができるのかと言ったことも大事になってきます。
その一方で市民測定所としては横浜やその周辺の土壌がどの程度の放射性物質に汚染されているのか、まずは実態を知る、地域の人たちに知ってもらう。その上での防御方法をみんなで考えていくべきではないのか。
測定所のあり方やお母さんたちのニーズを考えるとなんとかして土壌の予約を受けられるように態勢を整えたいねとの意見が多く上がりました。

畑の土壌と校庭や公園の土の放射性物質濃度の違いについても検証しました。
畑の土は耕すので事故直後に表面にあった放射性セシウムは耕した深さの土と混ざるのでそれほど高い数値は出ません。
当測定所ですでに測定依頼されたもの、自主的に測定したものを合わせて見てみると畑の土壌では神奈川県で数Bq/kg~100Bq/kgの範囲にありました。
一方で校庭の土や公園の土は比較的表面にまだ放射性セシウムが留まっており、また固い土もあります。測定に出されるお母さんたちの中には子どもたちが遊ぶ表面の土の値を知りたい方もいるだろう。
ただ、その場合畑と比べて土が乾いているので飛散も心配、畑に比べて耕さない分、汚染は高いだろう。
こちらは100~500Bq/kgの範囲の測定結果を得ていたのでさらに測定員の被曝、子どものいる環境での室内の汚染に注意が必要ということになりました。

何か月にも及んで測定時の被爆防御や測定方法、測定を依頼される方への土壌準備の方法などを徹底的に話し合い、これなら安全を確保して測定できるのではないかとようやく受け入れ体制が整いました。
その結果、下記のコースに区分して測定を行うことになりました。

【500mlコース】神奈川県内の汚染の軽度な土、市販流通品の土
OK の例:庭土、家庭菜園の畑、休耕地、果樹園、砂場、市販の園芸土・造園土など         NG の例:歩道や屋上などの堆積物や側溝や浸水マス、雨どい下などから採取したものなど
【1Lコース】神奈川県内の耕した畑の土

500mlコースはお客様から送付された土壌を測定所で開封することはありません。袋のまま測定器にセッテイングします。そのため飛散しやすかったり、比較的汚染が高い可能性のある表土、市販の土なども測定ができるようになります。
しかし、さらに高濃度の汚染が予測される路傍の土や堆積物の溜まりやすい場所で採取された土はやはり被曝リスクの観点から当測定所で測定することはできません。

1Lコースは比較的汚染が低いと考えられる畑の土を測定します。このコースは測定所内の決められた場所でマリネリ容器に詰める作業をしますが、必ず防護服、マスク、手袋をするなど十分に防御しています。子どものいる場合は行いません。
月に1度、第二金曜日に土壌測定日を設けて、測定しています。

500mlと1Lでは精度が変わらないの?そんな疑問を持つ方もきっといらっしゃいますよね。こちらは同じ土壌を500mlと1Lで何回か測定し、その値を比較してみました。
数Bq/kgの誤差はありますが、土壌の汚染レベルを知るには十分信頼性のある測定ができると判断しました。

これまでの経過をお話しさせていただきましたが土壌の測定は測定員の被曝のリスクと隣り合わせであることをご理解ください。
HPに土壌採取、送付方法を詳しく説明しています。
【土壌測定予約についてhttp://www.ycrms.net/dojou_booking】
こちらを必ずお読みいただき、送付方法をきちんと守っていただけるようにお願いいたします。
特に500mlコースでの測定希望の方、ご注意ください。
1.開封の必要が無いように決められた容量の土を送ってください。
2.袋の空気を抜いてください。
3.袋は輪ゴムで止めてください。
それさえ守っていただければ!!ぜひ、土壌測定をどんどんご活用ください。

これからも皆様のご理解とご協力のもと、有益な情報が発信できるよう努めてまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。        

 横浜市民測定所

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