Yokohama Citizen's Radioactivity Measuring Station

※ 本資料は、当測定所分析スタッフの青木氏が個人のFacebookに投稿したものです。 随時更新されますのでたまにご覧ください。


ベクレルとシーベルト


2012年6月5日
2013年5月20日一部修正

青木 康雄

 

いまでもたまに、「ベクレルとシーベルトってよくわからない・・・」という質問をいただきます。

いまでもわからないという人は、おそらく、世間で説明されている内容を一通り見たうえで、それでもわからないということなのだと思うので、今まで通りの説明をしたところで「やっぱりわからない」となってしまうでしょう。

そこで私は、超乱暴ですがまずはとにかくイメージしてもらうために、以下のような説明をしています。

  1. 放射線は、ラジオの電波のように連続して出ているものではなく、粒粒のような放射性物質が、はじけた(崩壊した)瞬間にだけ、放出される。
  2. それは、目に見えない粒のようなものであり(取りあえず波動性は無視)、ガンマ線であれば空中をものすごい速さでまっすぐに飛んでいく。

そして、ここからが本題です。


『さぁ目をつぶって、フライパンにトウモロコシを入れて、火で炒った状態を思い浮かべてみてください』
『時間が経つと、トウモロコシがパンパンはじけて、飛んできます』
『現実の世界では、重力と空気抵抗の影響で、はじけとんだコーンはすぐに下に落ちちゃいますが、これが、落ちないで、光の速さでどこまでも真っ直ぐ飛んでいくと考えてください』
『このとき、フライパンとその中にあるトウモロコシを放射性物質とするならば、放射線は、はじけとんだコーンです。』

『同じ勢いでコーンがはじけ飛んでいても、フライパンを覗き込んだら顔面に大量のコーンが命中して痛いですが、1mも離れれば、顔には滅多に当たらなくなってぜんぜん痛くありません。これが、「放射線の強さは、距離の二乗に反比例する」ということです。でも、フライパン上で、はじけとんでいるコーンの数は、同じです』
『1秒間に、何個のコーンがはじけとんだかが、ベクレル になります』
『はじけとんだコーンが、何個身体に当たったかが、シーベルト になります』

『ベクレルは放射性物質が放射線を出す強度のことを指していて、シーベルトは、実際に身体にあたった放射線の量を指しています』
ベクレル数が低くても、近くに行けば放射線をたくさん浴びますので、シーベルト値(被曝量)は高くなります。また、ベクレル数が高くても、離れれば浴びる放射線は少なくなりますので、シーベルト値は低くなります。

デカいコーンが顔に当たるのと、小さいコーンが顔に当たるのとでは、同じ一撃でもダメージが異なるのと同様、放射線についても放射性物質の種類によって、エネルギー量が異なり、同じ一発でも、シーベルト は異なってきます。

ここまでの説明でベクレルとシーベルトがイメージできるようになったらもう大丈夫。でも実は、私の上記の説明には、わかりやすくするため、一部ウソがあります。ぜひご自分で、調べてみてください。

 

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